今回は、NANDA-Iに沿って「排泄と交換」についてのアセスメント例をご紹介したいと思います。
この領域では、排泄行動、排泄状況(排便回数など)、腸蠕動音、発汗の状況、呼吸音、SpO2、などの情報をもとにアセスメントしていきます。
排泄と交換
泌尿器系機能
<例>尿閉や尿失禁もなく自分でトイレに行き排尿がされているため、腎臓で尿が生成され、尿管を通過し膀胱に送られ、膀胱壁が進展し、大脳皮質で尿意を感知し、尿道から尿が排出される排尿反射が起きるまでの過程が正常に機能していると考えられる。
→尿閉や尿失禁などの情報から、排泄行動と泌尿器系機能についてアセスメントします。
消化器系機能
<例>腸蠕動音は正常であり、蠕動運動に問題はないと考えられる。便秘の副作用がある薬を使用しているため、蠕動運動亢進の薬と、緩下剤の服用により、便秘を改善している。しかし作用が強く、下痢を引き起こす可能性があると考えられるが、便秘の改善時には服薬の調節ができているため、今後も便の状態に合わせて調節を続けていく必要がある。
→蠕動音や排便状況から、下痢や便秘の有無についてアセスメントしました。また、ここでは、便秘薬を内服していることにしたので、その副作用と成り行き、介入の必要性についても書いています。
便秘の時の介入について高齢者の場合は、こちらの参考書も役に立ちました。
外皮系機能
<例>皮膚の乾燥があり発汗があまり見られないが、高齢であるため、エクリン汗腺の発汗機能が低下したためと考えられる。発熱や低体温もなく、体温調節ができていると考えられるため、皮膚を介した分泌と排出の過程について異常はないと考えられる。
→ここでは、発汗や皮膚の状態、体温などから、体温調節ができているかをアセスメントしました。汗をかいている場合は、体温調節機能が働いていると考えられますが、冬や高齢者である時には、汗をかくことは少ないため、体温を見ています。また、ここでも、加齢による影響についてもアセスメントに加えるようにしました!
呼吸器系機能
<例>呼吸困難感や副雑音、チアノーゼはなく、動脈血酸素飽和度も正常値であるため、動脈血中のヘモグロビンが酸素と結合しており、末梢の循環にも異常はないと考えられる。
→ここでは、呼吸困難感や、SpO2、チアノーゼの有無、呼吸音などから、呼吸機能や末梢循環が正常に行われているかをアセスメントしています。
実習での対象となる患者様は、教科書とは異なることも多いと思います。
個別性を出すポイントとしては、複数の参考書を活用し、対象者に当てはまるものを組み合わせていくことが必要です。
ネットの記事だけでなく、ぜひ本も活用してください😊
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