【基礎看護学実習Ⅱ】アセスメント:栄養

今回は、NANDA-Iに沿って、「栄養」についてのアセスメント例をご紹介したいと思います。

栄養

栄養では、義歯の使用状況、BMI、皮膚の状態、体温、血圧、食事摂取量、食事の好みなどについての情報が必要です。

摂取

 <例>1人で食事を摂取し、義歯を利用して咀嚼や嚥下も行えており、食物や栄養素の摂取機能に問題はないと考えられる。BMIの値が25以上であり、肥満Ⅰ度である。食事はカロリーの比較的高い好きなものを食べ、メニューを気にしたことがないこと、運動ができないこと(根拠)から、入院前の食生活であれば、栄養摂取量が多くなっている可能性がある。現在は病院食を食べていて完食もせず栄養摂取量が多いとは考え難い。体重減少も見られないことから、ベッド上安静による活動量の低下が原因(原因)と考えられる。このまま悪化すれば、腹腔内内臓脂肪から遊離脂肪酸が放出され、門脈循環を通じて肝臓に大量流入し、脂肪合成を促進させ、インスリン抵抗性を増大させ、脂質異常症の悪化、耐糖能異常、高血圧を発症させ、動脈硬化の進展とともに冠動脈疾患を引き起こす可能性がある(成り行き)。胃を早期に満たす汁物・野菜を摂取したり、同じ素材を使った料理でも、炒めたり、揚げるよりも茹でる、焼くなどカロリーが低い方を選択する、ビタミン、ミネラル、食物繊維の割合を増やすことを指導する必要(介入の必要性)がある。

→「摂取」では、主に、摂取機能(咀嚼や嚥下)、摂食行動(食生活、BMI)などについてアセスメントしていました。

消化

 <例>便の性状に異常はない(正常or異常の判断)ことから、消化液の分泌と調節、消化の状態に問題はない(どんな機能に問題はないか)と考えられる。

→ここでは、問題は見られなかったということでアセスメントをしてみました。「消化」では、主に、便の性状について情報収集をし、消化機能に異常はないかをアセスメントしていました。

吸収

 <例>総蛋白、アルブミンの値が正常範囲内であり、タンパク質合成に異常はなく、低体重などもないため、栄養が正常に吸収されていると考えられる。

→ここでも、正常であったということでアセスメントをしています。「吸収」では、TP,Albの値やBMIをもとに、摂取した栄養素が吸収できているかをアセスメントします。

代謝

 <例>総蛋白、ALT,ASTの数値が基準値内であり、蛋白合成、吸収に問題はなく、肝細胞は正常に機能していると考えられるため、代謝機能に問題はないと考えられる。

→ここでも、正常であったということでアセスメントをしています。「代謝」では、TP,ALT,ASTの値をもとに、タンパク合成などの肝機能をアセスメントします。

水化

 <例>ナトリウムの値は基準値より若干低いが、大きく逸脱していない。また、皮膚の乾燥はあるが、高齢であるため、皮脂や発汗が減少し、皮脂膜が十分に形成されないことや角質細胞間脂質や天然保湿因子が減少することで、保湿能が低下していることが原因であると考えられる。体温の上昇などの脱水症状も見られないため、脱水などはなく、水の出納の均衡が取れていると考えられる。

→「水化」では、脱水や、電解質バランスについてアセスメントします。皮膚の乾燥も、脱水の症状の一つではあるが、高齢者の場合、加齢の影響もあるため、体温や尿量、NaやKなどの値とともにアセスメントし、加齢の影響についても書くことができると良いと思います!

実習での対象となる患者様は、教科書とは異なることも多いと思います。

個別性を出すポイントとしては、複数の参考書を活用し、対象者に当てはまるものを組み合わせていくことが必要です。

ネットの記事だけでなく、ぜひ本も活用してください😊

疾患別 看護過程 病期・発達段階の視点でみる (プチナースBOOKS) [ 任 和子 ]

価格:5,280円
(2022/10/9 15:57時点)

緊急度・重症度からみた 症状別看護過程+病態関連図 第3版 [ 井上 智子 ]

価格:5,500円
(2022/10/9 16:03時点)

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました