今回は、精神科での作業所での実習3日目のレポートの例をご紹介します。
本日の実習目標
対象者の事業所に対する思いについて知る。
行動計画
対象者とコミュニケーションを通じて、事業所についての思いや不安について聞きだす。
目標に関して観察したことなど
今日も、この前と同じように、隣接の病院の玄関の靴箱と床の掃除を行なった。その後に休憩を挟んで職員の食堂の床と靴箱の掃除をした。対象者は真剣な表情で作業に丁寧に取り組まれていた。対象者は、週に3回事業所に通われている。そのため、事業所に対する思いを尋ねた。対象者は、「これからも続けていきたい。目標は休まず通うことかな。」と言っていた。この前は、「自分にとって一番合っている。」と話されていた。そして、今後生活していく上での希望については、「簿記の資格を取りたい。専門学校に行ってて、パソコンとかそういうのが好き。」と話していた。現在の事業所の仕事では、内メンテナンスで掃除をしており、簿記を使うことはないが、「何か活かせる仕事ができたらいいですね。」と言うと、「そうだね。」と言っていた。
上記に対しての考察
- 対象者は現在、事業所で掃除をしており、「自分に合っていると思う。」や「これからも続けていきたい。休まずに通いたい。」という発言から、自分に適した場所や作業内容であると感じており、目標を持って継続することができている。このことが、仕事にも意欲的に取り組むことにつながっていると考えられる。働くことは、障害を抱える方にとって、自己発揮の機会を獲得することであり、対象者は、この機会を獲得し、活かせていると感じた。
- また、休まずに通うということは、一見簡単そうに感じるが、働くことは、病気や服薬がもたらす不都合と折り合いをつけながら、生活の場を広げることであるため、疾患や障害を抱える方にとっては自己コントロールの力を身につける訓練が必要であると感じた。今後は「簿記の資格を取りたい」と希望しており、日常生活でも好きなことがあり、希望を持って生活できていると考えてられる。休日には、普段の事業所での疲れや緊張を和らげて、気持ちを立て直すことが大切であると感じた。
実習の中で感じたこと
事業所への想いについて尋ねたところ、「休まずに通いたい。」と話されたため、私が、「どんな時休まれるんですか?」と尋ねると、「父が病気した時とか。」と言われた。「お父様が病気の時は、病院に連れて行かれたりするんですか?」と尋ねると、「はい。」と返答があった。このまま、深く尋ねて、日常生活について詳しく知りたいと考えた。そこで、移動手段について尋ねてみると、「病院は、バスが来る。昔は自転車だったけど危ないから。」と言われた。私は、「そうなんですね。Aさんがお買い物に行かれる際はどうしてるんですか?」と尋ねた。すると、「自転車。雨の日は歩き。」と返答があった。「近くにスーパーがあるんですか?」と尋ねると、「歩いて10分くらいかな。」と言っていた。このことか、1つの話題を深めると同時に関連することも聞き出すことで、対象者の生活環境を詳しく知ることにつながると感じた。
実習での対象となる患者様は、教科書とは異なることも多いと思います。
個別性を出すポイントとしては、複数の参考書を活用し、対象者に当てはまるものを組み合わせていくことが必要です。
ネットの記事だけでなく、ぜひ本も活用してください😊
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