今回は、精神科病棟実習での目標や行動計画、学びの例をご紹介します。
本日の実習目標
対象者が転倒を起こさないように見守りと声掛けを行う。会話の際に言葉だけでなく、自分の表情に気を付け、非言語的コミュニケーションも用いる。対象者の今後の希望や病識について情報収集を行う。
行動計画
- 歩行時は、手すりを持つように声掛けをし、見守りを行う。
- 会話の際には、楽しい話をする時には笑顔で、真剣な話の時には真剣な表情を心がける。伝わりやすいようにジャスチャーも用いる。
- 今後の希望や病気の理解度については会話の中から聞き出す。
観察したことについての考察
- 歩行時に手すりを持つように声掛けを行うと実行してくれるため、声掛けを理解できていると考えられるが、声掛けがないとできていないため、今後も継続して行う必要があると考えられる。
- 学習も塗り絵も創作も全部好きだと答え、OTには積極的に参加しているが、学習はあまり楽しそうではなかった。自身の塗り絵を卑下する発言から、上手くできないことがストレスになって腹を立てていると考えられる。計算が全問正解であると笑顔がみられたので、得意なことをするのは対象者の楽しみにつながると考えられる。
- 対象者は家族と住みたいという気持ちはあるが、社会復帰は難しく、最終的には施設など本人が利用可能な社会資源を検討する必要があると考えられる。また、対象者の希望を定期的に確認していく必要がある。
実習の中で感じたこと
午後の作業療法の時に、色の付いた紙に様々な大きさの花の形を鉛筆で写して、それらを切り取って重ねてノリで貼り付けて菊の花を創作する作業を一緒にしていた。その時に、対象者が私の書いた物を見て、「上手だね。」と言った。対象者は自己評価が低いと感じる発言をよくされているので、上手にできているということを伝えて自信を付けてもらいたいと考え、私は、「Aさんも上手にできていますよ。」と笑顔で返した。対象者は否定的な反応であった。私は「そんなことないですよ。上手にできてますよ。」と繰り返した。しかし対象者の表情に変化はなかった。
対象者は作業療法の前に、楽しみにしている発言があったが、私が一緒に作ったことは、かえって対象者の自己評価の低下につながったのかもしれないと感じた。
実習での対象となる患者様は、教科書とは異なることも多いと思います。
個別性を出すポイントとしては、複数の参考書を活用し、対象者に当てはまるものを組み合わせていくことが必要です。
ネットの記事だけでなく、ぜひ本も活用してください😊
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