今回は、精神実習(病棟)のサマリーの例をご紹介したいと思います。
サマリーの書き方
- 年齢、性別、診断名
- 現在の病院への入院までの経過
- 病院での現在のADL、介入が必要な症状など
- 今後の方向性、看護計画とその内容や自分が実習の中で介入した内容
文章の例
A氏60歳代後半。診断名は統合失調症。幼少期よりてんかん発作あり。施設に数年入所していたが、幻覚妄想が強く、粗暴行為を示したため、B病院に入院した。その後、措置入院の該当となり、20歳頃から当院に入院されている。
現在、病棟内では、日常生活に関するセルフケアはほとんど自立しているが、夜間に失禁があることがあり、観察が必要であると考えられた。また、歩行状態が不安定であり、転倒の既往があるため、転倒を予防できるような介入を行う必要があると考えた。作業療法には積極的に参加できており、塗り絵や折り紙などの作業遂行能力も高い。しかし、作業に長時間集中した後にてんかん発作が起きることがあるため、作業時には自ら休憩を取ることができているか観察を行い、できていない時には声掛けを行う必要があると考えた。また、ヘッドガードの着用もできているか確認を行う必要があると考えた。会話によるコミュニケーションは可能であり、他患との交流では時々、過干渉になる時があり、トラブルを引き起こす可能性があるため、観察を行う必要があると考えられた。また、妄想の訴えがあった際には、傾聴し落ち着いた態度で接する必要があると考えた。
今後の方向性としては、家族との関わりは少なく、自宅退院は難しいと考えられるため、長期目標として「治療を継続しながら、施設で日常生活を送ることができる」を挙げた。そして、短期目標として、①妄想に左右されず、日常生活を送ることができる。②転倒を起こさない。③てんかん発作の予防行動が取れる。④他者とのトラブルを起こさない。の4つを挙げた。そして、この中でも特に、「②転倒を起こさない」についての介入を行った。介入の内容としては、歩行状態や靴をきちんと履けているかの観察や、歩行前に、「手すりを持って、ゆっくり、前を向いて歩きましょうね。」と声掛けを行った。声掛けを行うと、手すりを持ってくれたが、声掛けがないと私の手を持ったり、何にも捕まらなかったり、できていないことが多かった。また、下を向いて歩いていることも多かった。そのため、継続して歩行前には声掛けが必要であると考えられた。
実習での対象となる患者様は、教科書とは異なることも多いと思います。
個別性を出すポイントとしては、複数の参考書を活用し、対象者に当てはまるものを組み合わせていくことが必要です。
ネットの記事だけでなく、ぜひ本も活用してください😊
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