ここまで、「情報収集→アセスメント→看護計画→評価」という流れで看護過程を展開して来ましたね。
最後に、サマリーを書いていきます。患者さんの情報や行った看護などのまとめです。
流れとしては以下の順番で書いていました。
対象者の紹介
- 年齢
- 職業
- 家族構成
- 既往歴
- 受診に至った経緯
- 診断
- 治療内容
- 術後経過
- 現在の状態
を簡潔に書きます。
例文
50歳代男性、営業職、息子と2人暮らし。2年前より高血圧を指摘されているが内服はしていない。半年前から黒色便がみられていたため、今年の5月上旬、上部消化管の造影検査と胃内視鏡検査を受け、胃前庭部小弯に潰瘍性病変を認めた。6月上旬に腹腔鏡下術で幽門側切除を行なった。現在、ゆっくり食事を摂取することができずにダンピング症候群を起こしてしまっているが、その他の経過は順調であり、感染や出血、イレウスはない。
看護診断・ケアプラン・実施・評価
ここでは、挙げていた各看護診断に対しての看護(計画)内容と、評価について簡潔に書いていきます。
解決している問題には、優先順位の番号は付けません。継続する問題だけに番号を振ります。
#1非効果的健康管理
A氏は入院前は不規則な生活をしており、効果的な健康管理ができていない状態であった。また、術前のICの際には分割食の話には興味がない様子であった。そのため、禁煙や適度な運動の必要性、術後の食生活について説明(暴飲暴食を避け、食事には60分以上かけゆっくり食べる)を行った。しかし、術後7日目までは1回の食事に60分時間をかけ、ゆっくりと食事摂取ができていたが、8日目に30分で摂取しダンピング症候群を起こしてしまった。適切な食事摂取方法の重要性を理解していない可能性があり、効果的な健康管理ができていないため、この問題を継続問題とし、引き続き食事方法についての説明を行う。
#感染リスク状態
A氏は、手術の影響で、創部やドレーン、チューブ類からの感染や、肺炎を引き起こす可能性があった、そのため、感染の危険因子や、衛生学的手洗いや感染の危険がある部位に触れないという感染予防の方法を説明した。その結果、感染予防の方法である衛生学的手洗いや、ドレーンやチューブを清潔に保つ方法も理解でき実施できており、感染徴候もなく経過しているためこの問題は6/14に解決した。
#出血リスク状態
バイタルサインや出血量、ショック徴候を観察しすぐに気づくことができるような関わりを行った。その結果、A氏は、ドレーンの排液の性状が淡血色から漿液性に正常に変化し、血圧低下などのショック徴候も見られずに経過しているため、この問題は6/9に解決した。
#消化管運動機能障害リスク状態
早期離床の重要性、離床の具体的な方法について説明した結果、A氏は早期離床の必要性や離床の方法についても述べることができ、腸蠕動音は微弱であるが、排便、排ガスがあり、イレウスの徴候はなく経過しているため、この問題は6/11に解決した。
#不安
A氏が不安を表出できるような関係を築けるように関わり、術後5日目には「はじめての食事で少し怖いです。」といった発言があったが、その後から8日目までは食事摂取もでき不安な様子は見られずに経過しているため、この問題は6/14に解決した。
実習での対象となる患者様は、教科書とは異なることも多いと思います。
個別性を出すポイントとしては、複数の参考書を活用し、対象者に当てはまるものを組み合わせていくことが必要です。ネットの記事だけでなく、ぜひ本も活用してください😊
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