【成人看護学実習】アセスメント:循環/呼吸反応・セルフケア・注意・見当識・感覚/知覚

今回は胃がんの患者さんのアセスメントの例をもとに看護過程の中のアセスメントの書き方を紹介しています。

NANDA-Iに基づいてアセスメントをしていますが、参考になる部分はあるかと思いますので是非真似してください😊

循環・呼吸反応

心拍数

・息切れの有無

血圧

肺活量、1秒率

などの情報からアセスメントをしています。

 他の領域と同じく、術前であるため、現在、高血圧や呼吸機能の低下がある患者さんでは、術後の悪化の可能性とメカニズムと、その看護についても書いています。

[例文]血圧:150/90mmHgで高血圧であり、治療も受けていないことから、循環機能に問題があると考えられる。原因として、塩分の取り過ぎや喫煙、運動不足が考えられる。このままでは、血管の内側を覆っている内皮細胞が刺激され、サイトカインを放出し、血液中の脂質が内皮細胞を通って動脈壁に沈着し、動脈硬化が引き起こされる可能性がある。そのため、食生活の改善と適度な運動をし、血圧をコントロールする必要がある。

 また、術後は疼痛、呼吸機能の低下、過剰輸液が原因となり高血圧が進行する可能性がある。そのため、硬膜外カテーテル、経静脈的自己調節鎮痛法などの積極的な術後疼痛管理で予防する必要がある。

 また、肺活量、1秒率ともに低下しており、混合性換気障害による気道の閉塞や狭窄が考えられる。

 術後は気管挿管による気道粘膜の刺激から分泌物が増加したり、術後の疼痛から深呼吸や咳嗽が十分にできず換気が低下し、痰が貯留しやすいと考えられる。そのことによって、無気肺や肺炎を引き起こす可能性がある。そのため、適切な術後の除痛、深呼吸・腹式呼吸を促す、不安の軽減をする必要がある。

 

セルフケア

 

ここでは、ご高齢ではない患者さんは、セルフケアに問題はないことが多いと思います。

 根拠としては、

仕事をしていること

息子と2人暮らしであること(妻は数年前に他界したという設定)

をあげてみました。

 また、術後は疼痛の影響などから、セルフケアに影響が生じる可能性があるため、そのことについても書いています。

[例文]

 息子と2人暮らしをしており、仕事もしていることから、入浴、更衣、摂食、排泄のセルフケアは自立していると考えられる。しかし、術後は手術に伴い一時的にセルフケアできない状況であるため、必要に応じてセルフケア不足を補う必要がある。

注意

[例文]

 現在は注意力に問題があるという情報はなく、問題はないと考えられる。しかし、術後は一過性の精神障害によって術後せん妄を引き起こす可能性がある。術後せん妄によって注意力が低下する可能性がある。そのため、手術や術後の経過についてわかりやすく具体的な説明を行なって経過が想像できるようにし、不安を取り除く必要がある。

見当識

[例文]

 病院であることを認識できていることや、時間と場所、周囲を認識できていることから、見当識に問題はないと考えられる。しかし、術後は術後せん妄を引き起こす可能性があり、その影響で見当識障害を引き起こす可能性がある。そのため、手術や術後の経過についてわかりやすく具体的な説明を行い不安を軽減することや、生活リズムを整えることで、術後せん妄の予防をする必要がある。

感覚/知覚

成人期の患者さんの場合、注意力などには問題がないことが多いので、予測を書くことになると思います。

[例文]

 痛みの知覚があることや他者の言葉を聞き取ることができており、刺激を受け取る感覚器の受容器や伝達経路が正常に機能しており、感覚や知覚機能に問題はないと考えられる。しかし、術後は術後せん妄を引き起こす可能性があり、その影響で知覚障害を引き起こす可能性がある。そのため、術後せん妄の予防をする必要がある。

実習での対象となる患者様は、教科書とは異なることも多いと思います。

個別性を出すポイントとしては、複数の参考書を活用し、対象者に当てはまるものを組み合わせていくことが必要です。

ネットの記事だけでなく、ぜひ本も活用してください😊

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