今回は胃がんの患者さんのアセスメントの例をもとに看護過程の中のアセスメントの書き方を紹介しています。
NANDA-Iに基づいてアセスメントをしていますが、参考になる部分はあるかと思いますので是非真似してください😊
睡眠/休息
・睡眠時間
・就寝時間、起床時間
・疲れやすさ
・疲れが取れているか
などの情報からアセスメントをしていました。
また、術前は不安による不眠、術後は疼痛による不眠が生じる可能性があります。
そのため、予測と看護について書くといいと思います。
[例文]
入院前は、7時に起床し、23時に就寝していたことから、睡眠時間も十分に取ることができており、睡眠習慣に問題はなかったと考えられる。しかし、入院後は、「最近は眠れないことが多い。」という発言がみられており、不眠が生じている可能性がある。原因として、入院による活動量の低下や手術に対する不安の影響が考えられる。このままでは、心身の疲労や抵抗力の低下や、注意力、集中力の低下による日常生活の質の低下が引き起こされる可能性がある。
術前で安静が必要であるため、活動量を増加させることは困難であるが、不安を軽減できるような関わりをしていき、安心してもらう必要がある。また、術後は疼痛の影響で不眠を引き起こす可能性があるため、適切な疼痛管理をし、睡眠の確保ができるように援助する必要がある。
また、「疲れやすい。」という発言が見られている。原因として、胃がんの潰瘍性病変部からの出血による貧血の影響で組織の十分な酸素が供給されず、エネルギー産生に必要な糖代謝ができず、嫌気性代謝に切り替わることから乳酸が蓄積されやすくなり、疲労感が自覚されやすくなったことが考えられる。このままでは日常生活動作の低下や生活パターンの乱れの増強が引き起こされる可能性がある。そのため、安静の確保やエネルギーと栄養の確保、睡眠の援助をする必要がある。
活動/運動
・運動器の疾患の有無(カルテなど)
・趣味
・休日の過ごし方
などからアセスメントをしていました。術後には、麻酔やベッド上安静の影響が生じる可能性が考えられるため、予測について書きます。
[例文]
関節などの可動性に制限はなく活動範囲の制限はないと考えられる。しかし、術後は全身麻酔による下肢の血流のうっ滞、手術による凝固亢進、術後の床上安静から、深部静脈血栓症の起こるリスクがあると考えられる。そのほかにも、床上安静により、筋力の低下や関節拘縮、筋萎縮が起こり、活動能力の低下につながる可能性がある。そのため、早期離床を進めていき、予防する必要がある。
エネルギー平衡
「エネルギー平衡ってなに?」と最初は思いますよね(笑)私は、「活動に対する意欲の有無」として解釈しています。そのため、「体は動くのに活動を全くしていない」状態などは、エネルギー平衡が保てていないと考えています。
ですが、特に看護診断をつけて看護計画を立てるような領域でもないので、アセスメントのところで軽く看護について書いていました。
・元々の趣味と現在は行っているか
・休日の過ごし方
・ストレスの程度
などからアセスメントをしていました。
[例文]
「休日は家にいることがほとんど。趣味のゴルフも最近はほとんど行っていない。」という発言から、活動に対する意欲は低いと考えられる。
原因として、仕事が不規則であり、帰りも遅く、疲労が溜まっていること、易疲労感があることが考えられる。
このままでは、気分転換ができずにストレスが溜まってしまうと考えられるため、好きなことや趣味を行うことができるように生活習慣を整える必要がある。
実習での対象となる患者様は、教科書とは異なることも多いと思います。
個別性を出すポイントとしては、複数の参考書を活用し、対象者に当てはまるものを組み合わせていくことが必要です。
ネットの記事だけでなく、ぜひ本も活用してください😊
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