今回は、胃癌の周術期の患者さんの看護過程のアセスメント例をご紹介します。
泌尿器系機能
・BUN
・クレアチニン
・eGFR
などの、腎機能に関する検査データから、アセスメントをするといいと思います。
[例文]
BUNの値も正常であり、尿閉や尿失禁もなく自分でトイレに行き排尿がされているため、腎臓で尿が生成され、尿管を通過し膀胱に送られ、膀胱壁が進展し、大脳皮質で尿意を感知し、尿道から尿が排出される排尿反射が起きるまでの過程が正常に機能していると考えられる。
消化器系機能
・腸蠕動音
・排便回数
からアセスメントをしました。術後合併症としては、イレウスを生じる可能性があるため、予測として書いています。
術前のアセスメントは、基本的に異常があると手術ができないので、予測を書かないと何も書くことがなくなります。
[例文]
腸蠕動音は正常であり、蠕動運動に問題はないと考えられる。しかし、術後は、手術によって損傷された組織を修復するための生体防御反応の結果として腸管癒着が生じたり、腸管運動が低下することで、腸内容の停滞が起こり、イレウスが起こる可能性がある。そのため、早期離床を促すことや、腸蠕動の状態、排便状況の確認をし、予防していく必要がある。
外皮系機能
・ブレーデンスケール(情報があれば)
・皮膚の状態(乾燥・湿潤など)
からアセスメントをしていました。
[例文]
ブレーデンスケールが23点であり、褥瘡発生のリスクは低いと考えられる。しかし、術後は臥床することで皮膚の特定の部位に圧力がかかり、褥瘡が発生しやすくなると考えられる。そのため、体位変換を促すことや、早期離床の援助を行うことで、予防する必要がある。
呼吸器系機能
・呼吸数
・呼吸音(副雑音、左右差)
・SpO2
からアセスメントをしました。無気肺などの可能性に関しては、領域4「活動/休息」のところで、詳しくします。NANDAは、「呼吸器系機能」のところと、「循環・呼吸反応」のところで呼吸に関する領域が2つありますが、学校では、どっちかで詳しくすれば良いという方針でした.
[ 例文]
呼吸数は20 回/分と正常で呼吸音にも雑音や左右差はなく正常であるが、SpO2が95%であり、ガス交換が正常に行われていないと考えられる。原因として、長年の喫煙による、気道の閉塞や狭窄による酸素不足が考えられる。このままでは、酸素が全身に行き渡らず、チアノーゼを引き起こす可能性がある。そのため、禁煙を継続できるような支援をし、症状が悪化した際には病院を受診できるようにする必要がある。
実習での対象となる患者様は、教科書とは異なることも多いと思います。
個別性を出すポイントとしては、複数の参考書を活用し、対象者に当てはまるものを組み合わせていくことが必要です。
ネットの記事だけでなく、ぜひ本も活用してください😊
疾患別 看護過程 病期・発達段階の視点でみる (プチナースBOOKS) [ 任 和子 ] 価格:5,280円 |
緊急度・重症度からみた 症状別看護過程+病態関連図 第3版 [ 井上 智子 ] 価格:5,500円 |