今回は胃がんの患者さんのアセスメントの例をもとに看護過程の中のアセスメントの書き方を紹介しています。
NANDA-Iに基づいてアセスメントをしていますが、参考になる部分はあるかと思いますので是非真似してください😊
感染
ここでは、術前であるため検査データは正常ですが(正常でないと手術に適さないかも)、術後の創部感染の予測と対処法を書きました。看護診断をあげています。看護計画についてはまた紹介します☺️
[例文]
検査データより、白血球数が正常範囲であることから、細菌に感染していないと考えられる。また、CRPが正常範囲を大きく上回っているが、原因として胃癌の病変部に炎症反応が起きていることが考えられる。また、術後は手術創やドレーンからの細菌の侵入、滲出液の貯留が起こりやすく、そこから感染につながる可能性があると考えられる。そのため、無菌操作、清潔操作、手袋の着用を徹底する必要がある。また、術後は栄養状態が悪化することで免疫力が低下し感染しやすくなることも考えられるため、栄養摂取の援助をし免疫力を高める関わりが必要である。
→#感染リスク状態
身体損傷
血小板数などから、出血のリスクをアセスメントしています。
[例文]
検査データより、アルブミンの値の正常範囲内であり、栄養状態が良好であるため、免疫が正常に働いており、身体を損傷しても回復の過程に問題はないと考えられる。しかし、手術による胃切除によって出血する可能性がある。出血が起こると、貧血の進行、感染リスク上昇、出血性ショックにつながると考えられる。そのため、術後出血がある場合には、出血量やバイタルサイン、血液検査データを観察し、血圧低下・脈拍数増加・顔面蒼白・皮膚冷感・あくびなどの出血性ショックの徴候があれば医師に報告する必要がある。
→#出血リスク状態
体温調節
[例文]
バイタルサインより、発熱や低体温がないため、体温調節機能に問題はないと考えられる。しかし、術後数日間は、糖の供給促進が起こり、肝臓に貯蔵されているグリコーゲンがグルコースへ分解され、筋タンパク質や体脂肪が分解されて、糖新生が亢進し、発熱が起こると考えられるが、手術侵襲に伴う正常な反応である。
安楽
ここでは、現在の疼痛についてと、術後に予測される疼痛についてアセスメントしています。疼痛や不安を軽減することが、身体的安楽につながると思います。
[例文]
心窩部痛、胃部不快感、倦怠感を訴えている。原因として、胃癌の病変部に潰瘍が形成されたことが考えられる。疼痛によって、食欲不振や睡眠障害が引き起こされ、栄養不足や、日常生活動作行動の低下につながる可能性がある。そのため、手術までは、気分転換や、安楽な体位の保持を行う必要がある。また術後は、外科的侵襲に対して起こる生体反応として、術後疼痛が起こると考えられる。適切な疼痛管理が行われなければ、不安や恐怖が引き起こされたり、呼吸運動が抑制されることで、気道内分泌物が貯留して呼吸器合併症が引き起こされたり、交感神経が緊張することで消化管運動や消化液の分泌が低下する可能性がある。そのため、早期の鎮痛薬投与や、創部の保護、カテーテル・ドレーンの整理・マッサージ・体位変換・ベッドサイド周辺の整理を行う必要がある。
実習での対象となる患者様は、教科書とは異なることも多いと思います。
個別性を出すポイントとしては、複数の参考書を活用し、対象者に当てはまるものを組み合わせていくことが必要です。
ネットの記事だけでなく、ぜひ本も活用してください😊
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