今回は、脳性麻痺の5歳の子の事例でアセスメント例を紹介していきます。
小児の場合、まだ小さい子供は、「健康管理」などは、本人ではなく母親中心にアセスメントをしていきます。
情報として、予防接種歴や訓練の実施状況を取り、効果的な健康管理が行われているかを判断していました。
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[例文]
予防接種を受けておらず、自宅では立位や歩行の介助もできていないため、効果的な健康管理ができていないと考えられる。原因として、母親の患児の病気についての知識不足が考えられる。このままでは、患児の歩行機能が低下したり、感染症にかかる可能性がある。
そのため、重症心身障害児は体力がなく、一度感染を起こすと重症化しやすく、容易に生命の危機を招くことや、施設では感染が伝播しやすいことを説明し、患児が体調の良い時に予防接種を受けるように勧める必要がある。また、歩行の訓練をすることで筋力の維持につながることを説明する必要がある。
栄養
摂取
食物の摂取は介助によって行われている。咀嚼機能が低下しており、むせることが多く、嚥下機能も低下していると考えられる。
原因として、食物の取り込みから粗食、嚥下という一連のプロセスにおいて協調運動が阻害されることが考えられる。
このままでは、誤嚥してしまい、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性がある。そのため、継続して、軟飯や刻み食を摂取すること、食事介助時に、まず児の筋緊張を緩和し、気道分泌物を取り除いて準備を整え、身体を起こして、嚥下しやすい位置で頭部をコントロールし、患児の食べる意欲を引き出しながら、状態に合わせて顎や口唇の動きを補助して食物を与える必要がある。
また、カウプ指数が13.8とやせ気味である。栄養摂取量の不足や野菜や副菜を食べるのを嫌がっていてあまり食べていないことから、栄養バランスが偏っている可能性がある。
このままでは、成長に必要な栄養が不足してしまうと考えられるため、食事回数を増やしたり、苦手な食べ物は、小さくしてご飯と一緒に混ぜたり、味付けを患児の好みに合わせるなど工夫をして食べてもらう必要がある。
消化
便秘気味ではあるが排便回数は正常であり、下痢をしているとの情報がないことから、消化機能に問題はないと考えられる。また、便の性状についての情報を収集しアセスメントする必要がある。
吸収
カウプ指数が標準であるため、摂取した栄養素が正常に吸収されていると考えられる。また、総蛋白、アルブミンのデータがないため、情報収集の上アセスメントする必要がある。
水化
排尿回数の減少はなく、脱水を起こしている様子が見られないことから、水の出納の均衡が取れていると考えられる。また、電解質についての情報がないため、ナトリウム、カリウムの情報を収集しアセスメントする必要がある。
脳性麻痺の子の場合、「摂取」に問題がある場合があるため、栄養状態と合わせて、咀嚼や嚥下機能についてのアセスメントも重要になって来ます。
実習での対象となる患者様は、教科書とは異なることも多いと思います。
個別性を出すポイントとしては、複数の参考書を活用し、対象者に当てはまるものを組み合わせていくことが必要です。
ネットの記事だけでなく、ぜひ本も活用してください😊
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