今回は、小児看護学実習の目標と学んだことの例を日数別にご紹介します。
ネフローゼ症候群の患児を想定しています。
デイリーレポートの参考にしてください☆
小児の実習では、乳児や幼児を受け持つことも多いと思います。泣いてバイタル測定などはできないかもしれません。私は、「バイタル測定ができないと看護師に報告もできないし怒られてしまう・・・」と落ち込んでいましたが、学校の先生から、「小児の実習で一番大切なことは、子供と信頼関係を築くことだよ。」と言われました。
そこで、まずは好きな遊びなどに注目し、一緒に遊ぶことで段々と打ち解けることができました☆
まずは、怖くない存在であるということをアピールすると良いと思います。
1日目
目標
- アセスメントに必要な情報収集を行う。
- 患児と家族とコミュニケーションを取り、信頼関係を築く。
観察したこと
・バイタル測定見学
体温計や血圧計を見ると泣いてしまっていた。看護師は、「上手だね。できたね〜。」と褒めながら行なっていた。聴診の時は泣いていたが、「ピッピとシュポシュポは得意だね。」と言われると頷いていた。
・腹部エコーの見学
検査中は激しく泣き、暴れる様子が観察された。看護師は、「頑張ってるね。上手にできてるね。」と声をかけていた。人形であやすと少しの間泣き止んだが、すぐに泣いていた。終了後は抱っこと母親に言っていた。
考察
幼児は褒められると喜ぶというコミュニケーションの特徴があるため、看護師は、発達段階に合わせたコミュニケーションを取りながら、処置を行っていると考えられる。また、「できるね。得意だね。上手だね。」などと声をかけることで、患児に自信を持ってもらい、次に同じことができるようにしていると考えられる。
患児は、検査やバイタル測定などの医療行為に対して強い不安や嫌悪感を抱いていると考えられる。そのため、怖くないということを感じてもらう必要があると考えられる。また、母親に抱っこをせがむ様子から、母子間で愛着形成がされていることが考えられる。母親に協力してもらうことで、検査の時も安心することにつながると考えられる。
学び・疑問
バイタル測定を正確に行うことも大切だが、現在の段階では、信頼関係を築くことが優先されることが分かった。患児は環境の変化や痛いことをされるのではないかという恐怖を抱えているため、安心してもらえる存在であるという認識をしてもらえることも医療者の役割であると感じた。
2日目
目標
患児と一緒に遊びながらコミュニケーションを取ることで、信頼関係を築く。身体状態についての情報収集を行う。
観察・体験したこと
プラレールの絵本の上を車のおもちゃを走らせて一緒に遊んだ。「これは何色かな?」と話しかけ、「青!」と返答があったので、「すごいね!A君おしゃべり上手だね。」と言って褒めた。1時間ぐらい機嫌よく遊んでおり、母親が離れても泣かずに遊ぶことができたが、途中から、機嫌が悪くなり、おもちゃを投げて泣くようになった。その後は眠っていた。
バイタル測定では、寝起きだったが、泣かずに計測されていた。機械で遊びながら行っていた。
考察
昨日は一緒に遊ぶことはできなかったが、患児の好きなものを用いて遊ぶことで、一緒に遊ぶことができたと考えられる。また、コミュニケーションを取ることも昨日はあまりできなかったが、一緒に話しかけながら遊ぶことで、警戒心を解いて会話をすることができたと考えられる。しかし、機嫌が悪くなることが多く、まだまだ関係性を築くことができていないと考えられる。
バイタル測定では、寝起きでスッキリしているのか、泣くことはなかったが機嫌は悪くなっていたため、まだ医療行為に対して恐怖心があると考えられる。また、機械で遊ぶことも、機械は怖くないという認識につながると考えられる。
学び・疑問
患児の好きなものを用いることは、患児との距離を縮めることにつながると感じたが、機嫌が悪い時は、好きなものにも目を向けずにおもちゃを投げたりしてしまうため、何に対して不満を抱えているのかを考えないと、患児の不快感を軽減することには繋がらないということが分かった。
3日目
目標
バイタル測定の際におもちゃを用いて行う。中間カンファレンスを受けて、今後の方向性を確定させる。
観察・体験したこと
患児と一緒に車で遊びながら、サチュレーション測定器や体温計も用いて遊んだ。呼吸数は遊んでいるときに観察できたが、体温の測定は嫌がって泣きかけておりできなかった。しばらく、おもちゃで遊び、サチュレーションを「パクパクできるかな?」と言うと、指を入れてくれるようになったが、すぐに外してしまい、計測には至らなかった。その後、遊んでいたが途中から泣いてしまい、眠くなったようで寝ていた。
尿は定期的に出ており、7:00に82mlで、昨日は341mlであった。浮腫は昨日よりは改善されていたが、全身に認められた。悪心、腹痛なく、活気はあるが機嫌不良であった。
考察
受け持ち初日は、体温計を見せただけで泣いてしまい、計測ができなかったが、今日は、見ても泣かなかったので、遊びながらすることや、毎日会うことで慣れてきたことが考えられる。しかし、体温計を脇に挟もうとすると機嫌が悪くなってしまうため、母親に計測してもらう方がいいのではないかと考えた。
また、尿量は段々と増加してきており、浮腫も改善傾向にあるため、利尿期へ移行してきていると考えられる。
学び・疑問
患児が寝ている時に看護師は血圧を測定し、呼吸音を聞いていたが、親は寝ている時に起こして欲しくないと思っていることが多いため、起こさないように配慮が必要であると言うことが分かった。また、両親の反応を観察し、寝かせていて欲しいと言う時には意見を尊重する必要があると感じた。
4日目:外来実習
目標
外来実習で検査、処置の必要性を理解し、必要な看護技術を学ぶ。受け持ち患児と家族に感染予防方法についての説明を行う。
観察・体験したこと
家の事情で学校に中々行けない子に対し、「学校どう?」など採血の前に話しかけていた。また、学校、保健所、児童相談所と関わって話し合いを行っているという話を聞いた。外来に来る子の表情を観察し、何かあったのかを観察していた。また、子どもの意見を尊重し、どうした方がいいと言うのではなく、どうしたい?と一緒に考えていた。採血をする際は、子どもの個別性を考えて、納得してもらってから行ったりしていた。診察の前には、身体計測を行っていた。子どもは、待合室で遊んで待っていた。
考察
看護師が、患児の家庭環境、学校のことについて把握して、表情や声かけから、現状を把握して、連携をとっていると言うことが分かった。また、看護師は、患児のダメのことは怒るし、自分で決めるように促していたため、何でも決めてあげて許すのではなく、今後生きていく上で、自分の意見を言うことや、ダメなことは正してもらうようにすることも教えていると言うことが分かった。また、採血や点滴は子供にとって苦痛を与えるため、動いたら危険であるので抑えて固定することや、患児がやる気になるのを待ったり、個別性に合わせて処置を行うことが重要であると感じた。
学び・疑問
検診の際には、正常に発達をしているかどうかなどを把握するために計測が重要であると分かった。また、採血、採尿、点滴、計測、保護者への困ったことがないかなどの確認、子どもが悩みを抱えていないかどうかの観察を行う技術が必要であると学んだ。また、1歳児への指導は、タイミングが重要であり、できないこともあると言うことを踏まえてご家族に説明を行うことが重要であると感じた。
5日目
目標
患児にわかりやすい絵本を用いて、患児と家族に手洗いとマスクの着用について説明を行う。
観察・体験したこと
プレイルームでビーズを用いておままごとをした。ビーズをひたすら鍋からお皿に移したり、一人遊びを主にしていたが、時々、「どうぞ。」と渡してくれた。そのあとは、赤ちゃんの人形にミルクをあげたり、他の子と遊んだりしていた。その後、プレイルームの絵本に興味を示し、「読む。」と言ったため、読み聞かせをした。そのタイミングで、手洗いの絵本を読み、「A君、手洗いできるかな?」と聞くと、「うん!」と言い、絵本に書いてある手洗いを真似してくれた。
考察
現在幼児期前期であるため、1人遊びが多い時期であるが、段々と他児ともコミュニケーションが取れるようになってきている段階であると考えられた。また、先週よりも話す言葉が増えてきているように感じたが、浮腫の軽減によって苦痛が軽減していることと、プレイルームに行けるようになり、遊びの制限が軽減されたことが考えられる。子どもは、苦痛があると話すことが減ったりすることにもつながると分かった。また、1歳児にもわかりやすい絵と文字を使うことで患児が積極的に真似をできることにつながったのではないかと考えられる。
学び・疑問
患児の苦痛の程度を観察するときには、泣く、機嫌の悪さだけでなく、普段より話さないこともあるため、その点も観察することが重要であると学んだ。
実習での対象となる患者様は、教科書とは異なることも多いと思います。
個別性を出すポイントとしては、複数の参考書を活用し、対象者に当てはまるものを組み合わせていくことが必要です。
ネットの記事だけでなく、ぜひ本も活用してください😊
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