【不登校体験談】不登校時代に言われて辛かったこと

 私は小学生の頃、不登校になり、病んでいた時期がありました。

小児科に通っていたので具体的な診断はされていませんが、精神科で働くようになった今考えると、”うつ病”、”適応障害”、”パニック障害”だったと思います。

 最近は「子供の精神疾患」についても聞くことが多く、ご家族など周囲の方も対応に悩むことは多いのではないでしょうか?その当時、私は親や学校の先生や友達に理解してもらえず、対応に傷つくことがよくあったのでどんな言葉に傷ついていたかをご紹介したいと思います。

現れた症状

・食欲不振、体重現象

・不眠

・吐き気(実際に嘔吐したことはないが、家の外では嘔吐への不安がつきまとう)

・過呼吸

・「死にたい」と思う

・何もする気力が起きない

・身なりにも気を使えなくなった(髪も整えず、更衣もせず過ごす)

・些細なことで泣きわめく

・引きこもり、不登校(遊園地など遊びは行けることもあった)

家族の対応

 母は、最初の頃は私が身体的不調を訴えるたびに病院へ連れて行ってくれていました。しかし、医師からは体はどこも悪くないと言われる日々。次第に母からも、「そのくらい誰でもあるから。本当病院好きだね。」と言われるようになりました。

 その頃は、本当に体調が悪くても心配されず、呆れられて相手にされなくなったことが悲しかったです。今考えると、まだ小学生だった私は、「何もする気力が起きない。」、「憂鬱な気分」など、言葉で感情をうまく表現することができず、身体の不調を訴えたり泣き喚いていたのだと思います。

 その頃はまだまだ精神疾患を理解してくれていない人も多く、ましてや子供なので自分でも自分の状態が理解できず、表現できず、とても辛い日々でした。

 次第に私はカロリーメイトとウィダーインゼリーという限られたものしか食べなくなり、普通の食事は一切食べる気が起きなくなりました。夜は毎日のように眠れず泣き喚き、泣き疲れてやっと眠る日々。私が学校に行けずに家にいたため、母もずっと家にいて、精神的に参っていたのだと思います。母も、一緒に泣いたり、泣いてわがままを言う私にキレたり、私を置いて一人でドライブに行ったりしていました。私はその時、ただただ母に甘えたかったので、「母は私のことをわかってくれない」と思いまた泣くという悪循環に陥っていました。今考えると、小児の精神科や心療内科を受診して適切な治療ができ、母に私との接し方や、母自身のストレス対処法などを教育してくれていたら、予防できていたのではないかなと思います。

 私には兄がいます。兄は当時中学3年生でした。兄は唯一、学校に行けていた時の私に対する態度と変わらず、とても優しく接してくれていました。母とは離れる時間があまりなく、共に病んでしまっていましたが、兄とは程よく距離があり、感情的に接してくることは無かったので、兄の存在にはとても救われました。歳が離れていたこともあり、甘えたいという私の欲求に気づき、母が怒っていると代わりに甘えさせてくれました。

 私の気持ちやしてほしいことを解ろうとしてくれたことがとても嬉しかったです。

 そして父です。父は、元々アルコール依存の祖父に虐待されて育っていたためか、家庭のことには無関心で家事や育児に関与することはあまりありませんでした。私が泣いていても気にせずテレビを見続けるような人でした。私が病んでいることも全く気付いておらず、仕事から帰ると私や母に事情を聞くことはなくテレビを見ているだけでした。

 そして、ある日、父から「お母さん、あんたのせいでノイローゼみたいになってるから、もう泣いたりするの辞めて。」と言われました。本当に傷ついたのを今でも鮮明に覚えています。父も悪気があったわけではないと思いますが、このような発言を平気でしてくるのは、人の気持ちを考えるのも苦手で、家族のことにも興味がなく、精神疾患に関する知識もなかったのが原因だと思います。もし、父が興味を持って、うつの人への対応の仕方を調べたり、なぜ私が泣いているのかを理解しようとしていれば、こんなことにはならなかったと思います。

この経験を通して伝えたいこと

 子供の頃は、心の不調に関する知識も乏しかったため、自分で自分の気持ちや辛さを表現することは難しかったです。その結果、“泣く”、“身体の不調として現れる”ということに繋がっていたのだと思います。周囲の人からしたら、今までできていたことがでいなくなって、甘えているように見えて、ついついイライラして怒ったりしてしまうかもしれません。しかし、それでは子供にとって一番身近な存在である親が自分のことを分かってくれないということで余計に辛くなりました。

周囲の人には、子供がどこも悪くないのに体の不調を頻繁に訴えたり、泣いてばかりで今までできていたことができなくなっている時には、”甘え”などといって片付けず、精神の不調が隠れているかもしれないと疑って欲しいです。そして、精神科の専門の病院で適切な治療を受けて、ご家族も子供に対する接し方を学んだり、共に潰れないように、心理教育などを受けて欲しいと思います。

最後に、子供に限らず、精神面の不調から様々なことができなくなったりしている人には、自分と比べて「甘え」や「弱さ」などと言わずに、その人にとっては”辛い”ということを理解する姿勢を忘れないで欲しいなと思います。

しかし、精神科で働くようになって、家族もまた精神的に参っているのだということが分かりました。私の母も誰にも相談できず、娘が不登校であることを周りに知られたくなかったのだと思います。本人の治療はすることも大切ですが、家族も住んでいる町の相談できる機関などを頼っていくことが大切であると思います。

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